副業と複業

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「副業」と「複業」は、どちらも複数の仕事を持つことを指しますが、その背後にある**「目的」や「自分自身の関わり方」**において大きな違いがあります。


「副業」:メインを補う「サイドビジネス」

副業は、文字通り「副(サブ)」の仕事です。揺るぎない「本業」という主軸があり、その傍らで収入の足しにしたり、趣味の延長で少額を稼いだりするスタイルを指します。

  • 意識のあり方: あくまで本業が生活の基盤であり、副業は「余剰時間」を使って行うものです。
  • メリット: 本業の安定を維持したまま、プラスアルファの収入を得られる点にあります。また、本業とは全く異なる分野(例えば事務職の人が週末だけカフェで働くなど)で気分転換を図るケースも多いです。
  • ニュアンス: 英語の「Side Hustle(サイド・ハッスル)」に近く、主従関係が明確なのが特徴です。

「複業」:複数の本業を持つ「パラレルキャリア」

一方で複業は、複数の仕事をすべて「本業」として捉えるスタイルです。

「副(サブ)」ではなく、複数の「復(メイン)」を持つという意味で、経営学者のドラッカーが提唱したパラレルキャリアという概念に非常に近い働き方です。

  • 意識のあり方: 「A社での仕事」「B社でのプロジェクト」「個人で行う事業」など、複数を並行させ、それぞれにプロとしての責任と情熱を注ぎます。一つがダメになっても他でカバーできる「リスク分散」の側面も強くなります。
  • メリット: 異なる環境で得た知見を相互にフィードバックできるため、スキルが掛け算で成長しやすい点です。例えば、IT企業の社員でありながら、別の会社でコンサルティングを行い、さらに地域活動のリーダーを務める、といった「多面的な肩書き」を持つ働き方です。
  • ニュアンス: 収入のためだけでなく、自己実現や社会貢献、ネットワークの拡大を重視する、より自律的なキャリア形成の姿と言えます。

日本のサラリーマンにとっての意味

これまでの日本のサラリーマン文化では、「副業」ですら「本業がおろそかになる」とネガティブに捉えられがちでした。しかし、「ジョブ型雇用」の波が押し寄せる中で、「複業」的な発想を持つことは、会社に依存しない生存戦略として非常に重要視されるようになっています。

最近では2025年の法改正などを受け、2026年は「複業元年」とも呼ばれるほど、公務員や大企業での解禁が進んでいます。「お小遣い稼ぎ」の副業から入り、経験を積むうちに、複数の専門性を使い分ける「複業家」へと進化していくのが、現代的なキャリアアップの一つの形かもしれません。

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