小此木圭吾氏の『モラトリアム人間の時代』は1978年に出版され、当時の若者を中心に大きな反響を呼びました。この本の後も、モラトリアムや青年心理に関する研究は様々な形で続けられています。
書籍
- 『「甘え」の構造』 土居健郎: 日本人の心理構造を分析した名著であり、『モラトリアム人間の時代』と並んで日本人の精神性を考える上で重要な一冊です。モラトリアムに通じる日本的な依存心や甘えの心理について深く考察しています。
- 『自己愛人間: 現代ナルシシズム論』 小此木圭吾: 小此木氏自身による、現代社会における自己愛的な傾向を分析した書籍です。モラトリアム的な自己中心性とも関連して読むことができます。
- 『シゾイド人間』 小此木圭吾: こちらも小此木氏による著作で、現代人の抱える孤立感や希薄な人間関係について論じており、モラトリアム的な社会との関わりの希薄さという側面からも関連して考えられます。
- 『ユング心理学入門』 河合隼雄: 青年期の心理的課題やアイデンティティの確立について、ユング心理学の視点から解説しています。モラトリアムを乗り越え、自己を確立していく過程を理解する上で参考になります。
- 『現代社会の病理』 小此木圭吾: 情報化社会や高度経済成長後の社会における人々の心理的な問題を分析しており、『モラトリアム人間の時代』で指摘された問題が現代社会でどのように変容しているかを考えるヒントになります。
- 青年心理学、発達心理学の教科書や概説書: これらの書籍には、青年期の発達課題の一つとしてモラトリアムが扱われていることが多く、より学術的な視点からモラトリアムについて学ぶことができます。エリクソンの発達段階説なども関連して紹介されています。
論文
- 青年期のアイデンティティに関する研究: 青年心理学の分野では、エリクソンのアイデンティティ発達理論に基づき、モラトリアムとアイデンティティ形成の関係について多くの研究が行われています。
- 現代社会における若者の心理に関する研究: 社会の変化に伴い、若者の価値観やライフスタイルも変化しており、モラトリアムの現代的な様相や長期化、新たな問題点などについて研究されています。ニートやフリーターといった社会現象との関連も議論されています。
- 発達心理学、臨床心理学の学術雑誌: これらの雑誌には、モラトリアムや青年期の心理発達に関する最新の研究論文が掲載されています。CiNii Articlesなどの論文データベースでキーワード検索することで、関連する論文を探すことができます。
その他
- 『モラトリアム人間を考える』 (講演録など): 小此木氏自身が『モラトリアム人間の時代』について講演した記録や、その後の考察をまとめたものも存在します。
これらの書籍や論文を読むことで、『モラトリアム人間の時代』が出版された後、この分野でどのような議論が深まり、新たな視点が出てきたのかを知ることができるでしょう。特に、青年心理学や発達心理学の分野では、モラトリアムは重要なキーワードの一つとして継続的に研究されています。

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