資本の循環

資本の循環とは、家計や企業に流れ込んだ「お金」が、さまざまな形に姿を変えながら動き続け、最終的にさらなる大きな価値(富)を生み出していく一連のプロセスのことを指します。

この循環は、まず「お金をどこからか調達してくる」という段階から始まります。これが先ほどお話しした「貸方(右側)」の動きです。自分の手元にある貯金(純資産)や、銀行やカード会社から一時的に預かったお金(負債)が、循環のスタート地点となる「軍資金」になります。

次に、その集めた軍資金を何らかの価値に変える「運用」の段階に移ります。これが「借方(左側)」の動きです。お金をそのまま現金や預金として置いておくこともあれば、生活を豊かにするための食事や知識を得るための書籍、あるいは将来利益を生むための投資信託などに姿を変えます。ここで「費用」として使われたお金は、一見消えてしまったように見えますが、実は「日々の活力を生む」「将来の稼ぎ口を育てる」といった、次の循環のためのエネルギーへと変換されています。

そして循環の最もダイナミックな瞬間は、投じたエネルギーが「収益」となって戻ってくる時です。仕事の成果として給料を得たり、投資から配当を得たりすることで、外から新しいお金が再び家計へと流れ込みます。この新しく生まれた「利益」は、貸方の「純資産」へと合流し、循環の輪を以前よりも一回り大きなものへと成長させます。

このように、お金は決して一箇所に留まるものではなく、「調達(貸方)→ 運用(借方)→ 収益の獲得 → 再投資」というサイクルを絶え間なく繰り返しています。複式簿記をつけ、貸借対照表や損益計算書を確認するということは、この「循環のパイプ」のどこかに詰まりがないか、どこで勢いが増しているかを冷静に観察することに他なりません。

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