「お金を集めてきて、それを使って稼ぎをつくる」という捉え方は、複式簿記の本質を突いています。専門的な用語で補足すると、この「お金をどこから持ってきたか(源泉)」を記録するのが貸方であり、「そのお金を何に姿を変えて持っているか(運用)」を記録するのが借方となります。
貸方:お金の調達(源泉)
貸方は、「お金を集める側」の情報を司ります。家計においてお金が集まるルートは大きく分けて二つあります。一つは、誰にも返さなくて良い自分自身のお金で、これを「純資産」と呼びます。例えば、自分で稼いだ給料や、元々持っていた貯金などがこれにあたります。もう一つは、いずれ誰かに返さなければならない他人の資本で、これを「負債」と呼びます。銀行からの借り入れや、クレジットカードの未払金などが該当します。このように、貸方を見れば「この家計の軍資金はどこからやってきたのか」という背景がすべて明らかになります。
借方:お金の運用(使途)
対して借方は、集めてきた軍資金を「今、どのような形に変えて持っているか」という運用の実態を示します。資産を形成する側と言い換えても良いでしょう。集めたお金をそのまま現金や預金として持っていれば、それは「資産」として借方に記録されます。あるいは、そのお金を何かのサービスや物品に交換し、日々の生活を維持したり将来の稼ぎを作るための活動に充てた場合、それは「費用」という形で借方に記録されます。つまり借方を見れば、「集めたお金を何に投じて、どのように家計を回しているか」という戦略が見えてくるのです。
循環による富の創造
この二つの側面を同時に記録するからこそ、家計の「巡り」が把握できるようになります。貸方でお金を適切に集め、借方でそれを賢く使う。この一連の流れがうまく回転することで、最終的に「収益」が生まれ、それが再び貸方の「純資産」へと積み上がって、家計はより豊かになっていきます。
「集めるのが貸方、使う(稼ぐ)のが借方」ということは、このダイナミックなお金の流れを正確に捉えた、複式簿記の理想的な解釈と言えます。


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