エドワード・バーネイズが最初に設立し、彼自身が「パブリック・リレーションズ・カウンセラー」と名乗ったPR会社は、「Edward L. Bernays, Counsel on Public Relations」 と言われています。
彼は1919年にこの会社を設立し、妻であるドリス・フライシュマン(Doris Fleischman)と共同で経営していました。フライシュマン自身も元新聞編集者であり、ライター、フェミニストとして活躍し、バーネイズのビジネスパートナーとしても重要な役割を果たしました。
この会社を通じて、バーネイズは様々な企業や団体に対し、心理学的な原則に基づいた革新的なPR戦略を提供し、「パブリック・リレーションズ」という概念を確立していきました。
エドワード・バーネイズが1919年に設立したPR会社、「Edward L. Bernays, Counsel on Public Relations」は、残念ながら現存していません。
バーネイズ自身は1995年に103歳で亡くなっています。彼の会社がその後どうなったかの正確な経緯は、公開情報からは明確には確認できませんでした。
ただし、彼の築き上げたパブリック・リレーションズの概念と手法は、現代のPR業界に深く根付いており、彼の影響を受けた多くのPR会社が現在も活動しています。
現在、世界的に有名な大手PR会社としては、Edelman や Weber Shandwick などが挙げられます。これらの会社がバーネイズの直接的な後継企業というわけではありませんが、彼のパイオニアとしての功績の上に成り立っていると言えるでしょう。
エドワード・バーネイズのPR会社とPR理論は、広告会社に非常に大きな影響を与えました。彼の功績は、広告の概念と実践を根本的に変え、現代の広告業界の基礎を築いたと言っても過言ではありません。主な影響は以下の通りです。
1. 大衆心理の重視と応用:
- 無意識への訴求: バーネイズは、叔父であるジークムント・フロイトの精神分析理論を応用し、人々の購買意欲や行動は、合理的な理由だけでなく、無意識の欲求や感情によって大きく左右されると考えました。この考え方は、広告会社が単に製品の機能や利点を伝えるだけでなく、消費者の潜在的な願望や感情に訴えかける広告戦略を採用するきっかけとなりました。
- シンボルの活用: 製品やサービスを単なるモノとしてではなく、消費者の願望や社会的なステータスを象徴するシンボルとして提示する手法を導入しました。例えば、自動車を単なる移動手段としてではなく、成功や自由の象徴として広告するなどが挙げられます。
2. 「意見形成者」の活用:
- 第三者機関の利用: バーネイズは、医師、科学者、著名人などの信頼できる第三者の意見や推奨を利用することで、広告メッセージの信頼性と影響力を高める手法を開発しました。この考え方は、現代のインフルエンサーマーケティングの先駆けとも言えます。
- ニュース価値の創出: 単なる広告ではなく、ニュースとしてメディアに取り上げられるようなイベントやキャンペーンを企画することで、より大きな宣伝効果と信頼性を獲得する方法を示しました。
3. 感情的な訴求とストーリーテリング:
- 欲望と恐怖の喚起: バーネイズは、人々の根源的な欲望や恐怖といった感情に訴えかけることで、製品やサービスへの関心や購買意欲を高める手法を用いました。
- ライフスタイルとの結びつけ: 製品やサービスを特定のライフスタイルや価値観と結びつけることで、ターゲット層の共感を呼び、購買意欲を高める広告戦略を導入しました。
4. PRと広告の連携:
- バーネイズは、広告を単なる情報伝達の手段としてではなく、広報活動と連携させることで、より効果的なコミュニケーション戦略を構築しました。広告とPRを組み合わせることで、製品やブランドの認知度向上、イメージ形成、信頼獲得などを総合的に行う考え方を広めました。
具体的な影響の例:
- 女性の喫煙キャンペーン「トーチ・オブ・フリーダム」: タバコを「自由と自立の象徴」として演出し、社会的なタブーを破り、女性の喫煙を広めました。これは、感情的な訴求と社会的なトレンドを巧みに利用した事例と言えます。
- 朝食にベーコン・アンド・エッグ: 医師の推奨を利用することで、ベーコンの消費を促進しました。これは、第三者機関の信頼性を活用した広告戦略の好例です。
エドワード・バーネイズの革新的なPR理論と手法は、広告会社が消費者の心理を深く理解し、より洗練されたコミュニケーション戦略を展開するための基礎となりました。彼の「大衆操作の技術(Engineering of Consent)」という考え方は、倫理的な議論を呼ぶこともありますが、現代の広告業界において依然として大きな影響力を持っています。

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